”露地もの野菜”を食べよう 

”露地もの野菜”はおいしい、味が深い、生命力がある。”露地もの”は季節に合った旬のものしかない。確かにいいのだが、スーパーや八百屋の店頭から少しずつその姿を消していきつつある。それは生産現場の農村風景を見ればすぐわかる。どんどんビニールハウスが増え、露地栽培が激減しているからである。野菜農家イコールビニールハウス農家になりつつある。

季節をずらす方が高く売れる。きれいで見栄えのよい野菜ができる。雨が降ってもビニールハウスの中でなら仕事ができる。などなどいっぱいいいことがある。

それでも私たちは露地栽培にこだわっている。自然の味を忘れたくない。自然からあまり離れたくない。そんな気持ちが残っているからである。本物のおいしさを毎日毎日、ニ度三度の食事で味わえる幸福にまさる幸福があるだろうか。”露地もの野菜”を食べる機会を増やそう。食べる人を増やそう。

文・増田 大成

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