「蕗のとう」 

この間から“蕗のとう”をいくつか見つけて採ってきた。春を告げる野草のひとつである。ほろ苦い野趣味がなんともいえなくいい。“蕗のとう”が出ると次々に山野草や山菜が出始める。“土筆(つくし)”が出て“ぜんまい”、“蕨(わらび)”が同時、そして“たらの芽”もつめる。少し経つと“蕗の葉”が採れるようになる。

北陸や東北の寒い地方だとそれらが一気に芽吹くように出てくるが、兵庫南部では順序良く次々に姿を見せてくれて春を長く楽しむことができる。ところが最近ではスーパーに行くとそれらがきれいな姿形で、同時に、しかも早期に店頭に並んでいる。なんと東北地方産なのにはびっくりする。なんのことはない、野生のものではなく温室、ビニールハウス内での栽培作物なのである。品はよいが元気がない。

NPOひょうご農業クラブでは自然な山野草や山菜を採取してみなさんの食卓にお届けし、「よりあい向洋」で味わっていただけるようにいたしましょう。

文・増田 大成

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